【旅の記録】相馬へ、鼓動をたどりに(2024年7月22日〜23日)
■ 出発の朝、海を目指して
夏の風がまだ涼しさを少しだけ残していた7月22日、SRの鼓動を確かめたくなって、相馬へツーリングに出かけた。
目指すのは福島県相馬市。太平洋に面したこの街には、以前にも一度訪れたことがある。
あの時は浜を歩き、砂と風と海の音を記憶に刻んだ。今回はその続きをなぞりたかったのかもしれない。
■ 砂浜と夕暮れと、小さなテント
到着した相馬の海岸は、変わらず穏やかだった。
防波堤の上にバイクを停めて、テントを張る。
夕暮れが近づくにつれて空が赤く染まり、潮風が心地よく体にまとわりつく。
「旅をしている」という感覚が、視覚と肌の両方から静かに浸透してきた。
■ 月と波と、静かな時間
夜になると月が海辺に顔を出し、夜の空気をさらに澄ませてくれた。
バイクの横に座って月を眺める時間。
焚き火も音楽もない。代わりにあったのは波の音と、自分自身の心音。
■ 翌朝の太陽、走り出す風景
夜が明けて、再び海がオレンジ色に染まっていく。
あのとき見た空と同じようで、違う色をしていた。
朝の光のなかで、またバイクに火を入れる。エンジンの音が、眠っていた身体をゆっくりと起こしてくれる。
■ 相馬の空の下で感じたこと
この旅で何かが劇的に変わったわけじゃない。
でも、確かに“何か”を取り戻せた気がしている。
時間と距離をバイクと共に過ごし、
浜辺で黙って夕陽を見つめる。
その静けさのなかに、
言葉にはできない “整う感覚” があった。
「鼓動」は、エンジンにも、自分にもある。
それを確かめに、また走りたくなる旅だった。
コメント